説話

前賢故実 現代語訳 安倍晴明の紹介

前賢故実ぜんけんこじつ』は、天保七年(1836)~慶応四年(1868)から明治時代に刊行された伝記集で、神武天皇から後村上天皇までの有名人500人余りが人物画とともに収録されている。全10巻20冊。本文は漢文で記されている。

安倍晴明は、第五巻に収録されている。

基本情報

原文

安倍朝臣晴明。従四位下進叙。天文博士左京大夫播磨守歴。初賀茂保憲師事。暦算占卜推歩之術。精究不無。古今以師㳒為矣。相國道長一日法成寺往将一犬衣囓之牽。因清明招之問。對曰。相公咒咀者有。此地掘必異有。言果如土器得。内朱書一字有。晴明曰。世此術知者獨道摩法師而已。乃紙結鳥形作。誦咒之投。化鷺為飛去。人其後逐。果道摩家到。鞠問實得。又一夕陣座銍。蔵人其鳥為穢所見。其人禍祟有識。謂曰。予命令夕逼矣。其人浄泣赦求。清明随其家至。通夜誦咒。暁及門叩者有。之問則厭祷致者。自来實吐暴死。家人奉免得。

内容

安倍晴明は従四位下に進叙され、天文博士・左京大夫・播磨守を歴任した。賀茂保憲に師事し、暦算・占卜・推歩の術を究めた。
ある日、藤原道長が法成寺に赴いた際、犬が衣の裾をくわえて引っ張った。道長は晴明を呼び出し、理由を聞いた。晴明曰く、道長を呪詛する者がいるという。異変が起こった場所を掘ると土器が埋まっており、中には朱で一字書かれた紙が入っていた。晴明曰く、この術を知っているのは道摩法師ただ一人であるという。晴明は紙を折って鳥を形作り、呪文を唱えて投げやった。すると、紙でできた鳥は鷺と化して飛び去っていった。その後を追うと、道摩法師の家にたどり着いた。その人曰く、命令されて呪咀を行ったと言い、泣きながら赦しを乞うてきた。やがて、遅れて晴明も道摩法師の家に到着した。夜通し呪文を唱えた。夜明けになり、門をたたく音がした。呪咀を行った者だと言って死んだ。

補足解説

安倍朝臣晴明

『安倍氏系図』には「大膳大夫/陰陽師/天文博士/主計権助/左京権大夫/従四位下/穀倉院別当」とある。

賀茂保憲

延喜十七年(917)~貞元二年(977)。安倍晴明の師匠あるいは兄弟子とされている。

推歩

天文を計測したり、暦の計算をすること。

関連

道摩法師が藤原道長を陥れるため道中に呪物を埋めた話は、『宇治拾遺物語』『十訓抄』『峯相記』に同様の説話が見られる。

宇治拾遺物語御堂関白の御犬と晴明らの奇特の事
十訓抄御堂入道殿の白犬道摩法師の厭術

晴碧花園 - にほんブログ村

にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 歴史ブログ 偉人・歴史上の人物へにほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ

安倍晴明を大河ドラマに
安倍晴明関係の年表
安倍晴明関係の説話一覧
安倍晴明ゆかりの地
陰陽師たちの活動記録
Twitterをフォローする
平安時代について知る
TOPページに戻る
購読する
follow us in feedly rss
SNSで共有する