泰山府君祭―国家の大祭として伝えられてきた宮廷祭祀

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FGO2部
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泰山府君とは

泰山府君は、泰山を神格化した東岳大帝と同一視され、同じ神として扱われている。
中国五岳の一つ・東岳(泰山)に降りて神となった精である。

東岳とは

始皇帝による中華統一以降、五行説に基づいた五岳信仰が生まれた。

五岳
  1. 東岳泰山(山東省)
  2. 西岳華山(陝西省)
  3. 南岳衡山(湖南省)
  4. 北岳恒山(山西省)
  5. 中岳嵩山(河南省)

五岳の中で泰山の標高は3番目(1545m)の高さだが、東方は太陽の昇る方角とされ、万物の誕生や生命を司るため五岳の中で最も尊ばれた。

山にはそれぞれ山の神がいるという信仰により、五岳にも神がいるとされた。

東岳大帝

東岳大帝は玉皇上帝の孫で、人間の賞罰や寿命を司る。
死んだ人間の魂魄はこの東岳大帝のもとへ帰るといわれている。
現世と来世を管理し、現世で犯した罪は玉皇上帝に逐一報告されると人々から恐れられている。

泰山府君(東岳大帝)=太一神(北極星)説

漢の武帝が泰山で封の祭りを行ったが、その礼式が太一神の祭祀と同じであったため、泰山府君は太一神とも同一視された。

泰山府君
  1. 陰陽道の主神
  2. 冥府(泰山)の神
  3. 人間の生死を司る神

陰陽道の主神

泰山府君は安倍晴明によって陰陽道の最高神として位置づけられるようになった。

『今昔物語集』における記述

ある高僧が病にかかったので、弟子たちは晴明に平癒の祭祀を依頼した。
すると晴明は、「高僧の病は重く、泰山府君に祈っても難しいだろう。しかし、命を取り替えることのできる人間を差し出せるならば、改めて祈祷してみよう」と言った。

しかし、高僧のために命を捧げる者は誰一人いなかった。
その時、最下僧が自分が身代わりになると申し出た。
泰山府君祭が終わって高僧の病は回復したが、身代わりを申し出た僧は一向に死ぬ気配がない。
弟子が師匠の身代わりになるのを哀れんだ泰山府君によって、共に長寿を全うすることができたのであった。

『権記』における記述

晴明が藤原行成のために行ったもので、長寿を得る(病気予防の祈願)ためだったと考えられている。

『御伽草子』における記述

安倍晴明の子孫・安倍泰成が泰山府君祭を行い、玉藻の前の正体が白面金毛九尾の狐であると暴いた。

冥府の神

後漢(25-220)の時代、人間の魂魄は泰山に帰すると信じられていた。
泰山の山頂には人々の寿命を記した帳簿ががあり、泰山に死者の世界が存在するという信仰が存在した。

閻魔大王と同一視される

仏教が中国に伝来したことによって閻魔大王や死後の概念と一部類似していた泰山信仰が混ざり合い、泰山府君は仏教の地獄における閻魔大王と同一視されるようになった。

人間の生死を司る神

仏教が中国に持ち込んだ地獄の概念と泰山は重ねて考えられるようになり、泰山府君は生死を司る神としても考えられるようになった。

泰山府君祭の内容

泰山府君祭は朝廷が独占して宮中で執り行っていたので、民間に流伝することはなかった。

①修祓、祝詞が奏上される
②主神である安倍晴明大神などの神名が聞かれる
③除災招福の告文、感応の次第を経て縄解の神事が行われる

延命の祈願

泰山府君に延命を祈願する際は、依代を用いる。
依代には御衣や御鏡、木製の人形などが使用された。
穢れを吸収した依代は宮城の外に埋められたり、川に流された。

考察

FGO2部新OPでリンボがバレルレプリカで撃たれるシーンがありますが、バレルレプリカは”天寿”の概念武装で対象の寿命に比例した毒素(攻撃力)を発揮します。

一方で泰山府君は人間の寿命を司る神であり、また地獄の閻魔大王とも同一視されます。
(これが「地獄界」に繋がる)
黒き光→黒は死の色→泰山府君は生死を司る神であるということで、実はリンボが食らった黒き神は泰山府君だったのかもしれません。

ちなみに、バレルレプリカの周りの光の色(ピンク、緑、青、黄色)ですが、陰陽五行の色とは多分無関係だと思います
※五行の色は青(木)、赤(火)、黄(土)、白(金)、黒(水)
上の画像だと白い光がなくて代わりに緑の光が入っている