陰陽道 鎌倉時代 平安時代 初心者の館

陰陽寮

奈良時代に天武天皇によって作られた律令国家において、陰陽寮は天皇の秘書的な役割を担う中務なかつかさ省の管轄下に配置された。

律令法における陰陽寮の役割は、式盤を使って国家や天皇の身の回りの吉凶を占うことだった。

主な仕事は以下である。

  • 御卜(御占)
  • 天文密奏
  • 祈祷
  • 祓え
  • 反閇・身固
  • 暦の作成
  • 日時・方角の占定・勘申

職務内容

御卜(御占)

軒廊の御卜や蔵人所の御卜を行う。

軒廊の御卜

軒廊は紫宸殿の東南の階下から宜陽殿までの屋根付き廊下のこと。

上卿しょうけい(儀式の執行役)が執り行い、神祇官と陰陽寮の者が占う。

上卿は職事(蔵人)を介して占いの詳細な結果を天皇に報告する。
天皇から質問があった場合、上卿は神祇官と陰陽寮に確認し天皇に報告する。

占いの結果によっては、天皇は物忌をすることもあった。
天皇が物忌をする必要があれば、職事が皆に知らせる。

六壬式盤という回転式盤を用いた六壬式占が行われた。

天文密奏

天体・気象を観測する。
異変があった場合は報告書を書き、密封して天皇に提出する。

祈祷

諸々の陰陽道に関わる祭祀を執り行う。

祓え

天皇が人形に息を吹きかけて陰陽師に渡し、陰陽師がお祓いをした後川に流して厄を取り除く。

反閇・身固

反閇は、天皇の邪気を取り除くための歩き方。
身固は身体を丈夫にするための呪術。

事務職

陰陽寮には「かみ(長官)」「すけ(次官)」「じょう(三等官)」「大・少さかん(四等官)」がいる。

頭(かみ)

陰陽寮の長官。
天体に異変があった場合は、密かに奏聞する。

安倍家(土御門)と賀茂家(幸徳井)の者が代々引き継いでいた。

技術職

陰陽寮には専門技術の指導教官として陰陽博士・天文博士・暦博士・漏刻博士という四つの技術職がある。
彼らは学生という10人の生徒たちに専門技術を教える役目をもっている。

これとは別に、陰陽師が6人いる。

陰陽博士

陰陽生の教官。
将来、陰陽師になる学生を指導する。

先生と生徒の関係

暦博士

毎年、暦(カレンダー)を作成して配る。
現代とは異なり、当時は太陰太陽暦(旧暦)を用いていたので、暦を作成するためには複雑な計算と暦法理論が必要とされた。

貴族たちは暦に基づいて、宮廷行事の日程を決める。

先生と生徒

天文博士

天体を観測し、異変があった場合は密かに奏聞する。
安倍氏が代々受け継いでいる。
若かりし頃の晴明も天文生として星の動きを見ていた。

先生と生徒

天文生たちが戌の刻(午後7~9時)と寅の刻(午前3~5時)の計2回観測を行い、異変があった場合は天文博士に報告する。
博士は観測結果を占い、凶と出たら天皇に密奏する。

天文部署の参考書

  • 『史記』天官書
  • 『漢書』
  • 『晋書』天文志
  • 『三色簿讃』
  • 『韓楊要集』

漏刻博士

漏刻(水時計)で時刻を測り、守辰丁に鐘鼓を打たせる。
定員は2名。

守辰丁

時守ときもり(時の守り人)とも言う。
漏刻(水時計)を見て、鐘鼓を打って時刻の移り変わりを知らせる。

官舎

太政官の北、中務省の東。

鎮守

陰陽寮の守護神で、陰陽寮官舎の中に鎮座している。

唐の律令制度とのちがい

日本の律令制度は唐の律令を参考にして作られたが、役所などの名称は唐とは異なっている。

唐では大史局が日本の陰陽寮にあたり、天文・気象・暦・漏刻を担当している。
占いは太卜署が行い、その中にいる太卜師が日本の陰陽師に相当する。

参考資料

  • 和田 英松「新訂 官職要解」講談社、1983年
  • 菅原 正子「占いと中世人―政治・学問・合戦」講談社、2011年
  • 斎藤 英喜「陰陽師たちの日本史」KADOKAWA、2014年
  • この記事を書いた人

やみみん

FGOの考察ブログです。 妄想9割、真面目な考察が1割なので基本当たりません。 Twitter→ @yamimiin

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