室山の戦いは、寿永二年(1183)11月29日に播磨国室山で起こった平氏軍と源行家による合戦である。
背景
『平家物語』では、義仲が平家追討に向かっている間、留守番役として京都に留め置かれていた樋口兼光が使者を派遣して、源行家が朝廷に讒言を奏聞していると報告した。
義仲は急いで京都へ向かい、行家は義仲と遭遇しないよう丹波路を経て播磨国へ下った。
義仲は摂津国を経て上洛した。
経過
平氏軍は義仲を討つため、大将軍に平知盛・平重衡、侍大将に越中盛嗣、上総忠光、平景清、合計二万余騎の軍勢が千艘の船に乗って播磨国室山に陣を構えた。
行家も五百余騎の軍勢で室山に陣を構えた。
平家は陣を五つに分けた。
一陣は越中盛嗣が二千余騎、二陣は伊賀家長が二千余騎、三陣は上総忠光・平景清が三千余騎、四陣は平重衡が三千余騎、五陣は平知盛が一万余騎で陣を構えた。行家が率いていた五百余騎の軍勢は平氏軍の包囲にされ、わずか三十騎ほどになってしまった。
行家たちは敗走して播磨国高砂から船に乗り、長野城に籠城した。