平安時代の乗り物には、平安貴族が乗る牛車や網代車、檳榔毛車、皇族などが乗る唐車があった。
平安時代の乗り物
牛車
牛車に乗り降りする際は、踏み台として榻を用いた。
乗るときは後ろから牛車に乗り、降りるときは牛を外して前から降りた。
女性が牛車に乗る場合は、下簾を下ろして外から見えないようにした。
牛車には、車副という従者が付き従っていた。
移動を終えた車は、車宿にしまわれていた。
網代車・檳榔毛車
網代車は、竹や葦を薄く削って交互に編んだ網代で作られた車である。車体には、いろいろな文様を描くことができる。
檳榔毛車は小窓がないことから、女性に重用された。
唐車
唐車は上皇・皇后・皇太子・准后・親王などの皇族が乗る車である。
摂政・関白が外出する際に乗ることもある。
参考資料
- 川村 裕子「王朝文化を学ぶ人のために」世界思想社、2010年