FGO 2部6章

女王メイヴと妖精の女王マブ

アルスター神話に登場する女王メイヴは人々の信仰が進むにつれて豊穣と活力を司る女神の神格と融合し、やがて夢を支配する妖精の女王マブと同一視されるようになりました。
今でもメイヴは見えない姿で存在していると人々に信じられています。

現代アイルランドにおいても「彼女を見た」という目撃例は多数存在している。
勿論、冗談の類ではない。
人々の心には今も、永遠の貴婦人としての女王メイヴが息づいているのである。

Fate/Grand Order Material Ⅲ 「女王メイヴ」より

妖精の女王マブとは

マブは、アイルランド民謡に登場する妖精の女王である。
シェリー(1792-1822)の長編詩『マブ女王』(1813)で、マブ女王は少女アイアンシの魂を車に乗せ、空から世界の悪を暴き、未来の理想世界を教える。
この作品におけるマブは、妖精の女王というよりも現世と死の世界、過去・現在・未来の時間を支配する存在として描かれている。イエイツはこれをドルイドの生命観に通じるものと指摘している。

また、マイケル・ドレイトン(1563-1631)の『ニンフィディア』(1627)は妖精国の女王マブと妖精騎士ピグウィギン、オベロン王の恋愛物語だが、これはアーサー王とその妃グウィネヴィア、騎士ランスロットの物語のパロディともいわれる。ジェイムズ・バリ(1860-1937)の『ピーター・パン』にも妖精の国に住むマブ女王として登場する。

シェイクスピア作品におけるマブの女王

『ロミオとジュリエット』

第一幕第四場にマキューシオによってその名が語られる。
当時、夢というものは眠っている人間の頭の中に妖精が訪れて夢を見させるものと考えられていた。女王マブはこうした性質から”妖精の産婆”と評されている。
このような性質から、インキュバスやサキュバスのような夢魔と同質の存在として考えられることもある。
また、夜中に馬のたてがみを組み編みに結ったり、女性の髪の毛をもつれさせるなどの悪戯をしたという。

ここで語られる妖精は瑪瑙の小石や芥子粒に例えられるほど小さく、人間が見る夢を自由自在に操ることができる存在として描かれている。

もし恋人どもの頭の中なら、たちまち恋の夢になり、
大宮人の膝ならば、さしずめお辞儀の夢だろう。
弁護士の指先をお渡りだと、途端にお礼の金の夢になり、美人の唇だと、これはテキメン接吻の夢だ、もっとも時々、呼吸に菓子の匂いがするとかで、女王め、ひどく腹を立て、唇にタダレをこさえることがあるそうだ。

シェイクスピア『ロミオとジュリエット』より

『夏の夜の夢』

マブの女王は妖精であることから『夏の夜の夢』に登場するオベロンの妃で妖精女王でもあるティターニアと同一視されることもある。

カエサルとオベロン

オベロンは『夏の夜の夢』に登場する妖精国の王であり森の支配者である。

オベロンが妖精王として初めて登場した作品である13世紀のフランスの武勲詩「ユオン・ド・ボルドー(ボルドーのユオン)」において、オベロンはユリウス・カエサルと妖姫モルガンとの間に生まれたと記されている。
(カエサルのマテリアルでも言及がある)

参考資料

  • シェイクスピア (著)、福田 恒存 (翻訳)「夏の夜の夢・あらし」新潮社、1971年
  • 井村 君江「ケルトの神話―女神と英雄と妖精と」筑摩書房、1990年
  • シェイクスピア (著)、中野 好夫 (翻訳)「ロミオとジュリエット」新潮文庫、1996年
  • 井村 君江「妖精学入門」講談社、1998年
  • 森瀬 繚「いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典 ダーナの神々、妖精からアーサー王伝説まで」SBクリエイティブ、2014年
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やみみん

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