妖怪

【現代語訳】『絵本三国妖婦伝』より「狐、那須野の原に逃げ隠る」

狐、那須野の原に逃げ隠る #那須八郎野干狩

青い幣

朝廷から東国へ「青い幣が落ちている場所には白面金毛九尾の悪狐が隠れているから、見つけ次第すぎに都へ身柄を引き渡せ」との御触れがあった。

ここに関東・下野国那須郡高の領主で那須八郎宗重という者がいた。
この度の御触れについて家臣に命じ、日々領内を巡回させていたところ、那須野の原に青い幣が落ちているのを見つけた。

さっそくこのことを朝廷に知らせたところ、
「幣が落ちているところに悪狐はいる。害を為すことを心得て油断なく用心せよ。その後変わったことがあれば、また都へ知らせよ。早くその場所へ人を差し向けよ」

とのご沙汰があって、八郎は畏まって了承した。

このとき、八郎はつらつらと思い悩んでいた。

悪狐が害を為してから朝廷に知らせれば、過ちを悔いることになり、未練が残る。

自分の領内に悪狐が隠れ住んでいるのを見逃すのは戦の備えに欠けているようなもので、批判は避けられないだろう。

狐が害を為す前に家来・領分の百姓たちを集め、多勢にて狐狩りをしようと思い立ってその旨を触れて回った。

十余里の那須野の原を大人数で取り巻き、太鼓を叩いて法螺を吹き鳴らした。

勢子の手分けを定め、各々に弓と槍を持たせて八郎が全体の指揮をとった。

武蔵野の原にも連なる広大な原野をくまなく狩ればおびただしい数の獣を刈ったが、白面金毛九尾の狐の姿は見当たらなかった。

そうしてそのまま事態は差し置かれていたところ、程なくして先の悪狐による災いが起こった。

夜な夜な現れては人々を苦しめ、人間を取って喰らい、町中の人々を惑わしたので、地元の人々はたいそう苦しんだという。

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やみみん

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