ずっとビーストⅤ考察していてⅥの方全然やっていなかったのでまとめました
ビーストⅥはアーサーがずっと追い続けている獣で、おそらく蒼銀コラボが何かで登場するのではないかと思います

ただこういうフラグもあるので倒すとしたらコヤンスカヤ(ビーストⅤ?)討伐後になるかもしれません

ビーストのうち何体かには『対』の概念がありますが、

下のアーサーが言っている通りL=黙示録の獣(プロトのビースト)、R=大淫婦バビロン(”残り香”は薔薇の香り)です

キリスト教の『新約聖書』の一節、『ヨハネの黙示録』で黙示録の獣に大淫婦バビロンが跨った姿で現れ、メガテンやペルソナでは『マザーハーロット』という名前で登場しました
なので出典は新約聖書ということになります

また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。(中略)さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は投げ落とされた。
『新約聖書』12節『ヨハネの黙示録』より
新約聖書では大淫婦バビロンが獣に跨った状態で現れたので、FGOで顕現する際もLR合体して一体の獣として顕現するのではないかと思われます

基本情報
七つの丘
獣の七つの頭はローマ帝国の七つの丘を表していると言われます。
これは『ヨハネの黙示録』が執筆された当時のキリスト教にとっての最大の敵がローマ帝国であったことに由来すると考えられています。
バビロンの獣がかぶる『十の支配の王冠』を教鞭に変えたもの。
Fate/EXTRA CCC マトリクス BB 『支配の錫杖』 より
これは七つの首の獣が女性原理に対応する男性原理であり、
その本質はファロス(まっすぐな棒)だからである。
大いなる竜から王座と権威を与えられ、さらに42ヶ月の間、どれだけ不遜な言葉を吐いてもよく、あらゆるものを冒涜する権利を与えられたという世界の王の象徴。
獣の首はローマ帝国の七つの丘……
カピトリウム、パラティウム、アウェンティヌス、エスクイリヌス、カエリウス、クイリナリス、ウィミナリス、すなわちローマ帝国そのものを意味し、十の角はその皇帝……
アウグストゥス、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ、ウェスパシアヌス、ティトウス、ガルバ、オト、ウィテリウス……を象徴している。
『ヨハネの黙示録』が執筆された当時はドミティアヌスの治世で、ローマ帝国が本格的にキリスト教の迫害を始めた時期でした。
ビーストⅥ/R 大淫婦バビロン
型月においてネロは666の獣、バビロンの大淫婦と同一視されています
※下のプロフ6だと旧約聖書になってますけど新約聖書が正しいです

ネロ自身にも別側面があることを匂わせる発言があるので、おそらく大淫婦バビロンはネロの姿で現れるのではないかと思います



Ⅵ/RのRの意味
ビーストⅢ/RのRはRapture(随喜)で「この世に人は我独り〜」タイプでしたが、下の台詞を見るとビーストⅥ/RのRもRaptureでいい気がします。


ネロのスキル
水着ネロのスキル:七つの冠
その香は剣を厚くし、また鎧を尖らせる。
Fate/Grand Order material Ⅴ ネロ・クラウディウス〔キャスター〕より
在り方は曖昧になり、クラスによる不利は意味を成さない。
■■は海より来たる。
見るがいい、潮騒に煙る七つの首を。
地に富を築きし者たちよ、その欲望を黄金の盃に注ぐ時だ。
「■■は海より来たる」の■■には一見すると下のネロの台詞のように『劇場』が入るように見えますが、「潮騒に煙る七つの首」とは黙示録の獣のことです。

黙示録の獣は”サタン”とも呼ばれ、サタンは激情(憤怒)を司ります。
この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。
『ヨハネの黙示録』12-9 より
また、黙示録の獣は海の中から上って現れることから「■■」には「激情」が入るのではないかと思われます。
わたしはまた、一匹の獣が海の中から上って来るのを見た。
『ヨハネの黙示録』13-1 より
これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまの名が記されていた。
BBのスキル
十の王冠
十の王冠とは悪しき十人の王を指し、七つの丘は忌まわしき悪の都を指しているという。
Fate/Grand Order material Ⅴ BB より
単純に見るのなら、受けた傷や起きた出来事、あらゆる結果を”無かったこと”にするスキル。事実上、これがあるかぎりBBは無敵である。
黄金の杯
持ち主の厚顔で自分勝手な願い事を叶える負の聖杯。
Fate/Grand Order material Ⅴ BB より
ヨハネ黙示録にある、バビロンの大淫婦が持っていた杯。
偽聖杯であるが、偽の聖杯であるからこそ、正邪問わずに人間の欲望を叶える”本物の”聖杯となっている。当時の清貧を美徳としたキリスト教徒にとって、金などという財の象徴で形作られた杯は、まさしく汚れた富と強欲、そして己を飾ろうとする虚偽を意味するものであった。
ローマ帝国の化身であるバビロンの大淫婦が手にする杯という時点で明瞭であるが、この杯はキリストの『地に富を積んではならない』という言葉を反転させた、地上の富を象徴している。
ビーストⅥ/L 黙示録の獣
『蒼銀のフラグメンツ』の一度目、『Prototype』の二度目の戦いでアーサーによって葬られたはずでしたが、この獣との三度目の戦いが訪れることがプロトマーリンからアーサーに伝えられました
昔には在って今には在らざるもの、しかし、やがて底知れぬ場所から這い上がって来たるもの。
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ 5』より
徒波の彼方より都市へと迫り、あらゆるものを冒瀆する権利を与えられた世界の王として生まれ落ちて、虚飾と退廃を司る現象。悪の源たる女を背に乗せながら、自分たちを非難し、貶めて、侮辱し続ける世界中の怒れる数多の人々を招き、黄金の渦のただ中にて抱き融かしながら貪り喰らう、人を殺す権能として定められた第六の獣。
獣の七つの頭はローマ帝国の象徴であり、ローマの悪性が暴食であることはFGOでも言及されています。


―世界は救われる。
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ 5』より
―左腕を幼子のために塞ごうとも、運命の騎士は誓いを果たし、聖剣を振るう。
この世すべての悪を斃し、
この世すべての欲に抗い、
この世すべての明日を拓くために。
まあ上の台詞なんか見るとビーストを打ち破るには開拓が鍵になるというか、ビーストは剪定事象の具現化的存在みたいな感じもしますけどね
Ⅵ/LのL
ビーストⅢ/LのLはLapse(堕落)でしたが、黙示録の獣がもつ数字「666」も堕落を示す数字でした。
なので、ビーストⅥ/LのLもLapse(堕落)ではないかと思われます。
獣の数字「666」
獣の数字=666はローマ皇帝ネロの暗喩であるとされています。
ヘブライ語でネロの名前を綴り「NRWN QSR」を数字に換算して合計すると666になるといわれています。
ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。
『ヨハネの黙示録』13-18 より
数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。

ビーストⅥのネガスキル
ビーストⅥのネガスキルは『ネガ・メサイヤ』でビーストⅡのネガスキル『ネガ・ジェネシス』と同類のスキルです

『メサイヤ』の意味
これまで登場したネガスキルはⅠの『ネガ・サモン(召喚)』、Ⅱの『ネガ・ジェネシス(創世)』、Ⅲ/Rの『ネガ・セイヴァー(救世主)』、Ⅲ/Lの『ネガ・デザイア(欲望)』と、その獣の在り方を示した名前になっています
『メサイヤ』は『救世主(messiah)』という意味ですがバビロンは偽預言者(=偽救世主)でもあります
参考資料
-
「小型聖書 旧約続編つき – 新共同訳 」日本聖書協会、1988年
- 久保田 悠羅「ドラゴン (Truth In Fantasy)」新紀元社、2002年