七つの人類悪(ビースト)が持つ理と『創世記』のあらすじの関係についての解説

ビースト

ビーストはそれぞれ個別の『理』を持っていますが、その『理』は創世記と関わりがあるという説です。ビーストⅠが『知恵の実』、ビーストⅡが『楽園追放』、ビーストⅢが『アダムとイヴの生殖』、ビーストⅣが『カインとアベル』、ビーストⅤが『ノアの方舟』、ビーストⅥが『バベルの塔』に対応しています。

ビーストⅠの『憐憫』と『知恵の実』

『憐憫』とは

人が人を憐れに思い、情けをかける心。
これに対応する創世記の話が『知恵の実を食べたアダムとイヴ』です。
  1. 神はエデンの園にアダムを連れてきて「園の全ての木から実をとって食べなさい、ただし”善悪の知識の木”の実だけは決して食べてはならない」と言った
  2. 神は人が独りでいるのは良くないと思い、アダムと番う女(イヴ)を造った
  3. 神が地上に造った生き物の中で最も賢い蛇が「善悪の知識の木の実を食べても死なないし、善悪を知ることができる」とイヴを唆した
  4. イヴは善悪の知識の木の実を食べ、アダムにも分け与えた
  5. 知識を得た二人は自分たちが裸であることを恥ずかしく思いイチジクの葉で腰を覆った
そもそも『原罪』とは「アダムとイヴが最初に犯した罪」、すなわち「人類が最初に犯した罪」のことです。(アダムとイヴは一番最初に生まれた人間なので)
ゲーティアの宝具『誕生の時来たれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』が原罪のⅠであることや、ティアマトもまた原罪のⅡと呼ばれていることから考えても、人類悪と創世記が対応している可能性は高いです。

ビーストⅡの『回帰』と『楽園追放』

『回帰』とは

やり直したい、原初に戻りたいと願う心。リセット願望。
これに対応するのが『楽園追放』、神の言いつけに背き善悪の知識の実を食べたアダムとイヴがエデンの園を追い出された話です。
  1. 神がアダムに「どこにいるのか」と問うと、アダムは「自分は裸なので恐ろしくて隠れている」と言った
  2. 神はアダムとイヴが善悪の知識の実を食べたことを知り激怒した
  3. イヴは「自分たちは蛇に騙されて実を食べた」と言った
  4. 神は蛇に呪いをかけ、アダムとイヴにも呪いをかけた
  5. 神はアダムとイヴに皮の衣を着せ、エデンの園から追放した

なぜ神がアダムとイヴをエデンの園から追放したかと言うと、彼らが命の木からも実を取って食べ、永遠の命を得ることを恐れたからです。

ティアマトは

原罪のⅡ。■から離れ、楽園を去った悪(つみ)。
と言われています。
創世記から考えると■に入るのは『神』で「から離れ、楽園を去った悪」だと思いますが、ティアマトは地母神なので、■に『母』を入れて「から離れ、楽園を去った悪」でもあるのかもしれません。

ビーストⅢの『快楽/愛欲』と『アダムとイヴの生殖』

ビーストⅢの大元の理は『快楽』なんですが、その『快楽』から分かれた側面の『愛欲』を司っているとされています。

そしてビーストⅢの『快楽』から分かれた側面、『愛欲』だった。
愛は良いもの。欲も良いものだ。けれど『愛を快楽にする』事はしてはならない。
本来、愛と欲は切り離して考えるべきもの。
これを一つものとした時、アポトーシスは発現する。(マテリアルⅤより)

これに対応するのが『アダムとイヴが性行為を行い、カインとアベルを産んだ』話です。

  1. アダムは妻イヴを知り、イヴは身ごもってカインを産んだ
  2. イヴはカインの弟となるアベルも産んだ

ビーストⅣの『比較』と『カインとアベル』

『比較』とは

己と他人を比べる心。
これに対応するのが『カインとアベル』の話です。
  1. カインは土の実りを神のもとに捧げものとして持ってきて、アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持ってきた
  2. 神はアベルの捧げものは受け取ったが、カインの捧げものは受け取らなかった
  3. カインは激怒し、アベルを襲って殺した

ちなみに、この後カインは結婚してエノクという息子が生まれたんですが、この息子の名前にちなんだ都市を建設しています。

これが、

「地に増え、都市を作り、海を渡り、空を割いた。何の、為に……?聖槍よ、果てを語れ! 『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』!!」
獅子王の宝具ボイスに繋がってくるわけです。
「地に増え」=アダムとイヴが性行為を行い子供を産んだこと
「都市を作り」=カインが都市を建設したこと
「海を渡り」=方舟に乗ったノアたちが大洪水の後も生き延びたこと
「空を割いた」=バベルの塔建設
です。
また、カインがアベルを殺したことは”人類最初の殺人”といわれています。
ビーストⅣのフォウくん(キャスパリーグ)は並行世界において”プライミッツ・マーダー(霊長の殺人者)”という別名があります。
プライミッツ・マーダーが人類に対して絶対的な殺害権を持っているのもまた、カインが人類最初の殺人を行ったことに由来するものではないかと考えられます。

ビーストⅤの理と『ノアの方舟』

『ノアの方舟』のあらすじは

  1. 神は地上が人々の堕落と不法に満ちていたことを嘆いた
  2. 神はノアに「私は地上の人々を滅ぼすことに決めたので、方舟を造りなさい」と言った
  3. さらに神は詳細な方舟の作り方と方舟に入れる動物を指定し、ノアは神に言われたとおりに方舟を造った
  4. 地上に大洪水が起こり、方舟に入っていたもの以外の命あるものはすべて滅びた
  5. ノアは神と契約を立て、新たな人類の始祖となった

ビーストⅤの理はまだ判明していませんが、『ノアの方舟』の話をもとに考えると

『管理』…方舟に入れて動物たちを管理したから

『開拓』…大洪水の後、ノアが新たな人類の始祖となったことから

ですかね。

ノアがすべての生き物から雄と雌を選んで方舟に入れたことから『選別』も考えたんですが、ビーストⅣの『比較』と意味が被りそうなので除外しました。

消去法でビーストⅤが濃厚なコヤンスカヤが『愛玩』の獣と言われてますが、『愛玩』の意味は

大切にしてかわいがること。また、おもちゃにして慰みとすること。
ノアは方舟に動物を入れはしましたが可愛がったわけではないのでこのままだとノアの方舟とはちょっと合わないかなという感じもします。
もしくは、ビーストⅢの『快楽』から分かれた『愛欲』のように大本の理が存在するのか…
また、虞美人が
海の底も山の頂も、徹底して神秘を暴き征服せずにはいられない。それがお前たちの獣性じゃないの。
と言っていたことや、2部5章アトランティスで異聞帯の住民たちが神から与えられたものを享受するだけで発展を遂げようとしないことから考えると、上の『開拓』もあてはまりそうですが、『愛玩』と『開拓』が両立するとは考えにくいので、ここが難しいところなんですよね…

ビーストⅥの理と『バベルの塔』

『バベルの塔』のあらすじは

  1. 世界中の人々は同じ言葉を使って同じように話していた
  2. 東の方から移動してきた人々が平野に移住してきた
  3. 彼らは「天まで届く塔のある町を建てよう」と言った
  4. 神は塔のある町を見て「彼らは一つの民で一つの言葉を話しているからこんなことをし始めたのだ」と言って彼らを全地に散らした
  5. 神が全地の言葉を混乱(バラル)させ、そこから彼らを全地に散らせたことからこの町は”バベル”と呼ばれるようになった

ビーストⅥは左右(LR)に分かれていて、アーサーの発言から「R=大淫婦バビロン(「残り香」から)」、「L=黙示録の獣(「瘴気」から)」と思われます。

今度こそ悪相の兆しかと思ったんだが……Lの瘴気も、Rの残り香もない。
大淫婦バビロンは黙示録の獣に跨りマザーハーロットとなるわけですが、このマザーハーロットはネロと同一視されると考えられています。
ネロは度々『繁栄』という言葉を口にしていたり、概念礼装にも『繁栄』が使われていたりするので、ビーストⅥの理は『繁栄』ではないかと思われます。
それが人の繁栄の理。人間という生命の系統樹。
明けない夜はないと言うが、終わらない夜もまたある。
見よ。繁栄は都市を照らし、その果てに彼女を喚んだ。(概念礼装『不夜の薔薇』より)

ビーストⅦの理と『イサクの燔祭』

『イサクの燔祭』のあらすじは

  1. アブラムは神の啓示に従い妻や甥たちとともに神の示す地に旅立った
  2. アブラムが甥と別れた後、神は「見える限りの土地をすべてあなたとあなたの子孫に与える」と言った
  3. 神はアブラムに「多くの国民の父となり、アブラハムと名乗りなさい」と言い、妻サライにはサラと名乗るように言って契約を立てた
  4. やがてサラは身ごもり、息子イサクを産んだ
  5. 神はアブラハムに、イサクを生贄として山に捧げるように命じた
  6. 実は、これは神がアブラハムに与えた試練だったのだが、アブラハムが神に忠実だとわかったので、イサクは生贄にならず生き延びた

ちなみに、アブラハムはカルデアのウル出身です。

1部7章でジウスドゥラ(”山の翁”)が

謂われのない憐憫は悪の一つであり、謂われのない慚愧も、また悪の一つ。
と言っていて、『憐憫』と『慚愧』が対であるかのように語っています。
慚愧とは
自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。
なので、
『憐憫』がビーストⅠの理であることから、ⅠとⅦが対の関係になっているとしてビーストⅦの理が『慚愧』なのではないかと考えられています。
『慚愧』と創世記の話が合うように考えると、一番近いのはイサクが生贄として捧げられようとするところまでかなと思うんですが、Ⅶの理が『慚愧』ではなかったら、イサクが生まれるところで終わってるのかもしれません。それか、まったく予想していないようなところで終わるのかもしれないです。

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