妖怪

狐と狸の化かし合い

「狐狸精」という言葉に代表されるように、狐と狸は人を化かす動物の代表とされてきた。

狐は陰に属する動物で、夜に活動し、陽の気が盛んな昼間はあまり活動しない。
ただし、姿を見せないだけで普通に人間と会話したり、いたずらをする。

きつね

狐は知能の高さにおいて人間に匹敵するほどの妖怪であり、ある時は人間の敵として、ある時は人間の友として多くの物語に登場する。

『玄中記』によると、50年生きた狐は女性に化けることができるようになり、100歳で美女や巫女に化けることができるようになる。
1000歳で天に通じるようになり、狐の最高位である天狐になるという。

たぬき

狸もまた狐同様、精気を吸い取るために美女に化けて男性を誘惑する。
唐の時代以前は狐を凌ぐほどの力を持っていたが、唐の初期に狐が大流行したことによって、遥かに劣った地位に甘んじるようになった。
『幽明録』には、次のような説話が収録されている。

前漢の儒学者として名高い薫仲舒が帳を下ろし、本を読んでいた。
そこへ突然、只者ではない雰囲気の客が訪ねて来たので、一緒に五経について論じたところ、その客は細部にまで精通していた。
このような学問に通じている人がいるとは聞いたことがなかったので、薫仲舒は怪しんだ。
客が「雨になりますな」と言ったので、薫仲舒は冗談で「巣を住処としておれば風を予知し、穴を住処としておれば雨を予知する―と言いますな。さしずめあなたは狐狸でなければ、老いたネズミといったところでしょう」と言った。客は血相を変えて、老いた狸に姿を変えて大慌てで走り去った。

きつねとたぬきの化かし合い

『化け比べ』(京都府)

むかし、むかし、おったと。
近江八幡さんにそれはみごとに化ける狐が。
そうして近くの寺には、これもみごとに化ける狸が。
ある日、この狐と狸が道でぱったり出会うなり言うたそうな。
「お前は、たいそううまく化けるそうやな」
「そういうお前もえらい評判がええ。どっちが上手か、一度二人で化け比べをしてみんか」
ということになって、まず、八幡さんの狐が化けることになった。
翌朝、狸は約束通り八幡さんに行ってみよった。
ところが、いっこう化け狐らしいものは見当たらへんのや。
「さては、いっぱい喰わされたんかいなあ」と思いながら、周囲をさがしてみた。
すると、拝殿に供えた小豆飯が、まだ炊きたてとみえて、ほかほかしとる。

『狐と狸の化かし合い』(『徳島県』)

昔々、狐と狸がいた。
昔から、”狐は千年昔のことを識り、狸は三日先のことを知る”というそうだ。
あるとき、狸が山道を通っていたら狐に出会った。
狐が狸に化かし合いを仕掛けてきて、くじ引きの結果先に狐が化けることになった。
狐がでんぐり返しをすると、きれいな娘の姿になった。
狸は舌を巻いたが負けるわけにもいかず、「上手に化けているが、しっぽが見えている」と言ったので、狐は元の姿に戻った。
狐が「お前は昼でもしっぽが出ないように化けられるのか」と聞くと、狸は「うん、化けられる。でも、娘に化けると太った娘になってしまうので、殿様の行列に化けて見せてやる」と言った。
さらに、「殿様の行列に化けるには手間がかかるから、明後日この下の街道で待っていてくれ」と言って別れた。

狐は約束した街道で今か今かと待っていた。
すると、殿様の行列がやって来た。それはそれは立派な行列であった。
あんまり見事なものだったので、狐は街道に飛び出し行列の前を横切ったり、中に入り混じったりした。
そうしたらなんと、お供の侍に首をはねられてしまった。
行列は本物の殿様の行列で、狸は三日先の殿様の行列を知っていたのだ。

  • この記事を書いた人

やみみん

FGOの考察ブログです。 妄想9割、真面目な考察が1割なので基本当たりません。 Twitter→ @yamimiin

-妖怪

© 2021 源氏画報 Powered by AFFINGER5