山海経 中国

山海経に登場する妖怪たち〜海外経〜

『山海経』より、海外南経、海外西経、海外北経、海外東経です。

天地四方の間、四海の内部を太陽と月を以て照らし、星辰を以て経め、四時を以て紀し、太歳(木星)を以て整える。
神霊が生まれるところは物事を異形にし、或るものは早死、或るものは長生きし、聖人のみがその道に通じている。

海外南経

海外―その西南隅より東南隅に至るもの。

結匈国

その人となり胸が突出する。

南山

虫を”蛇”と呼び、蛇を”魚”という。

比翼鳥

青赤色で、一鳥一翼の二羽が翼を揃えて飛ぶ。

羽民国

その人となりは、長い頭で体に羽が生えている。
28人の神人が手を組んで帝となり、野の夜を支配する。
その人となりは小さい頬に赤い肩、全部で16人いる。

畢方鳥

人面で一本足。

讙頭国

その人となりは人面で翼を持ち、鳥の喙、いまし魚を捕らえる。

厭火国

獣身で色は黒く、口から火を吐く。

三株樹

柏のような形で、葉はみな珠になる。

三苗国

互いにくっついて歩く。

臷国

黄色で、弓で蛇を射る

貫匈国

胸に穴がある。

交脛国

脛が交差する。

不死の民

黒色で、不老不死である。

岐舌国

舌が岐(わか)れている。

崑崙の虚

虚は方形。羿と凿歯が寿華の野で戦い、崑崙の虚の東で射殺した。
羿は弓矢を持ち、凿歯は盾を持つ。

三首国

一つの体に、三つの首を持つ。

周饒国

短小で冠を帯を付けている。

長臂国

水中で魚を捕らえ、両手に一匹ずつ持つ。

狄山

山の北に帝・喾を葬り、山の南に帝・尭を葬る。周の文王もここに葬る。
熊・羆・文様のある虎、蜼、豹、離朱、視肉(肉塊で、牛の肝臓のような形で両眼があり、食べても尽きることはなく再生する。)、吁咽がいる。
方三百里もの広大な森林がある。
南方の神・祝融は獣身人面で、双竜に乗る。

海外西経

海外―西南隅より西北隅に至るもの。

滅蒙鳥

青赤の尾を持つ。

大運山

高さ三百仞

大楽の野

夏后啓がここで九代を舞った。
双竜に乗り、雲は三層、左手に翳を持ち、右手に環を持ち、玉璜を佩びている。

三身国

一つの首に三つの体を持つ。

一臂国

一つの臂、一つの目、一つの鼻孔。
黄色い馬がいて、虎の文様、一つの目と一つの足を持つ。

奇肱国

一つの臂、三つの目、一つの体に陰と陽があり、文様のある馬に乗る。
傍らには、赤と黄色の頭を持つ鳥がいる。
かつて、形天と帝がここで神争いを起こし、帝はその首を切り、常羊の山に葬った。
そして形天の乳を以て目とし、臍を以て口とし、干と戚を以て舞った。

女祭・女戚

二つの川の間に住む。
祭は俎(まな板)を持ち、戚が【鱼旦】(ウナギの仲間)を持つ。

ジ鳥、セン鳥

青と黄色で、この鳥が飛んだ国は滅ぶ。
ジ鳥は人面で、山頂にいる。
一書には、維鳥・青鳥・黄鳥の集まるところといわれる。

丈夫国

衣冠を着け、剣を帯びている。

女丑

女丑が生まれると、10個の太陽がこれを炙り殺した。
右手で面を覆い、上部に10個の太陽がある。

巫咸国

右手には青い蛇を握り、左手には赤い蛇を握る。

登葆山

巫女たちが薬を採るために上下する場所である。

并封

彘のような姿で、前後に首が付いている。黒色。

女子国

二人の女子が住み、二人の周りを水が巡っている。

軒轅国

長寿ではないものでも800歳である。人面蛇身で、首の上で尾がとぐろを巻いている。

窮山

軒轅の丘を畏れているため、西へ弓を射ない。
この丘は方形で、四つの蛇が絡み合っている。

此諸夭の野

鸞鳥が歌い、鳳鳥が舞う。民は鳳凰の卵を食べ、甘露を飲み欲しいものは思いのままである。百獣が群れて住む。
四蛇の北にあり、両手で卵を食べ、二羽の鳥が先頭に立って彼を導く。

竜魚

陵に住む。鯉のような姿で、神聖があった時は、これに乗って九野を行く。

白民国

白い体で、髪を振り乱す。

乗黄

狐のような姿の馬で、背中に角が生えている。
この馬に乗ると、寿命が2000年になる。

粛慎国

雄常

昔、この国に入った代理の帝がこの樹皮から衣服を作った。

長股国

股(足)が長く、髪を振り乱す。
西方神は蓐收で、左耳に蛇があり、双竜に乗る。

海外北経

海外―東北隅より西北隅に至るもの。

無䏿国

䏿(ふくらはぎ)が無い。

燭陰

鍾山の麓に住む神。この神が目を開ければ昼となり、目を閉じれば夜となる。
この神が吹けば冬となり、呼べば夏となる。飲まず、食わず、息をせず、息を吹けば風邪となる。身長は千里で、人面蛇身で色は赤い。

一目国

顔の真ん中に一つの目が付いている。

柔利国

一つの手足を持ち、膝が反っていて、足は曲がって上にある。

相柳氏

共工(古代中国の覇者)の臣。
九つの首で九つの山のものを食べる。人面蛇身で青い。相柳が土を掘れば沢や谷となる。北へ弓を射ないのは、共工の高殿を畏れるゆえ。高殿は方形で隅に蛇が一匹いる。
虎色で、首を南に向けている。
禹は相柳を殺し、その血は生臭くて五穀の種を植えることもできず、禹は深い穴を掘って埋めたが何度も崩れてしまった。そこで諸々の帝の高殿を造った。

深目国

一つの手を挙げ、一つの目を持つ。

無腸国

背が高く、腸(はらわた)がない。

聶耳国

両手で長い耳を持ち、海中に群がり住む。二匹の文様のある虎を馴らして使う。
水のあるところへ行けば、珍しいものが出入りする。
夸父は太陽とかけくらべをして入日を追った。喉が渇いたので黄河と渭水で水を飲んだがなお足らず、北の大きな沢で飲もうとしたが、到着する前に喉の渇きのあまり死んでしまった。彼がその杖を棄てると、杖はトウ林となった。

博父国

大きく、右手に青い蛇を持ち左手に黄色い蛇を持つ。

拘纓国

片手に冠の紐を持つ。

尋木

長さは千里、河のほとりは西北に生ずる。

【足支】踵国

大きく、両足も大きい。一書には大踵ともいう。

欧糸の野

一人の娘が跪き、樹に寄り添いながら糸を吐く。

三桑無枝

高さ百仞で、枝がなくて高い木。

范林

方三百里で、洲が下を環っている。

務隅の山

山の南に帝・颛顼を葬り、山の北に九人の女官をその北に葬る。

平丘

二つの山が高い谷を挟んだ中央にある二つの大きな丘。
遺玉・青鳥・視肉・楊柳・甘【木且】・甘華があり、百果が生ずる。

【馬萄】【馬余】(とうと)

北海にいる、馬のような姿の獣。

白馬のような姿の獣で、鋸牙で虎や豹を食べる。

蛩蛩

白馬のような姿の獣。

羅羅

虎のような姿の青い獣。

北方神は禺彊で、人面鳥身、二匹の青い蛇を耳飾りにし、二匹の青い蛇を踏まえている。

海外東経

海外―東南隅より東北隅に至るもの。

サ丘

遺玉・青馬・視肉・楊柳・甘【木且】・甘華があり、百果が生ずる。
二つの山が丘を挟んだ上に樹がある。

大人国

大きく、座って舟を操っている。

奢比尸

獣身人面で大きな耳があり、二匹の青蛇を耳飾りにする。

君子国

衣冠を付け、剣を帯びて獣を食べる。
側にいる二匹の文様のある虎を馴らして使い、謙譲で争い事をしない。

薫華草

朝に生え、夕方に枯れる。

虹虹

それぞれ二つの首を持つ。

天呉

朝陽の谷の神であり、水伯でもある。
人面で八つの首、八つの足、八つの尾を持ち、みな青黄色である。

青丘国

四足で九尾の狐である。

竪亥

帝に命により、東極から歩いて西極に至った。その歩数は5億10万9800歩に及ぶ。
右手に算を持ち、左手は青丘の北を指している。

黒歯国

黒い歯、稲と蛇を食べる。一つは赤く、一つは青い。蛇が傍にいる。

湯の沸く谷

谷の上には扶桑がある。
10個の太陽が湯浴みをする。水の中に大樹があり、9個の太陽は下の枝にあり、1個の太陽は今昇ろうとして上の枝にいる。
(10個の太陽が順序を狂わせて現れたので、天下の草木は焼け爛れた。そのため羿が9個の太陽を撃ち落としたという話が『淮南子』にある。)

雨師妾

黒く、両手にそれぞれ一匹の蛇を持つ。
左の耳には青い蛇がいて、右の耳には赤い蛇がいる。

玄股国

股が黒く、魚皮の衣を着て鷗を食べる。
二羽の鳥を使役し、腋に抱えている。

毛民国

体毛がある。

労民国

色黒。

東方神は句芒、鳥身人面、双竜に乗る。

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