『占事略決』は天元二年(974)5月26日に安倍晴明によって著された占いの本。
師匠・賀茂保憲が亡くなってから二年後に執筆された。
『占事略決』の構成
項目 | 内容 |
---|---|
四課三伝法 | 四課三伝の作り方 |
課用九法 | 四課から三伝を作る九種類の方法 |
天一治法 | 天一貴人の出し方 |
十二将所主法 | 十二天将が象徴するもの |
十二月将所主法 | 十二月将が象徴するもの |
十干剛柔法 | 十干の剛柔 |
十二支陰陽法 | 十二支の陰陽 |
課支干法 | 干を支に変換する方法 |
五行王相等法 | |
所勝王法 | |
五行相生相剋法 | 五行の相生・相剋 |
五行相刑法 | |
五行相破法 | |
日徳法 | |
日財法 | |
日鬼法 | |
干支数法 | 干支が示す数を知る |
五行数法 | 五行が示す数を知る |
五行干支色法 | |
十二客法 | |
十二籌法 | |
一人問五事法 | |
知男女行年法 | 男女の行年を知る |
空亡法 | 空亡の出し方 |
知吉凶期法 | 吉凶が現れる時期を知る |
三十六卦所主大例法 | 三十六種類 |
占病祟法 | 病気が何の祟りによるものか占う |
占病死生法 | 病気が生死に関わるものか占う |
占産期法 | 出産の時期を占う |
占産男女法 | 産まれてくる子の性別を占う |
占待人法 | 待ち人が来るか占う |
占盗失物得否法 | 失くしものが出てくるか否か占う |
占六畜逃亡法 | 逃亡した六畜の行方を占う |
占聞事信否法 | 聞いたことは信用できるか否か占う |
占有雨否法 | 雨が降るか否か占う |
占晴法 | 晴れるかどうか占う |
四課三伝法
常に月将を占時に加え、日辰陰陽を視て四課を立てる。曰く、上神を日の陽となし(これを一課という)、日上神本位を所得の神を日の陰となす(これを二課という)。辰上神を辰の陽となし(これを三課という)、辰上神本位を所得の神を辰の陰となす(これを四課という)。
五行相生相剋法
木は火を生む 火は土を生む 土は金を生む 金は水を生む 水は木を生む
木は土に克つ 土は水に克つ 水は火に克つ 火は金に克つ 金は木に克つ
こちらもCHECK
陰陽五行説―木火土金水、『五行大義』についての説明
陰陽五行説は陰陽説と五行説が合わさったもので、陰陽道の根幹を成す思想である。中国の戦国時代末頃から「陰陽五行説」と呼ばれるようになった。その後、五行説を整理して項目ごとに分類した『五行大義』が著された ...
続きを見る
占病祟法
月 | 十二月将 | 祟り |
---|---|---|
1月 | 徴明 | 北辰 |
2月 | 河魁 | 竈土・兵墓土公 |
3月 | 従魁 | 儛神・馬祠神・呪詛 |
4月 | 伝送 | 儛神・馬祠神・形像 |
5月 | 小吉 | 門・井の土公・厨膳 |
6月 | 勝先 | 竈神 |
7月 | 太一 | 竈神・呪詛・毒薬・仏法 |
8月 | 天剛 | 北辰・水辺の土公 |
9月 | 太衝 | 北辰・氏神・風病 |
10月 | 功曹 | 氏神・風病 |
11月 | 大吉 | 山神・大歳・土公・小沢土公 |
12月 | 神后 | 北辰・呪詛 |
十二天将 | 祟り |
---|---|
騰蛇 | 竈神・客死鬼 |
朱雀 | 竈神・呪詛・悪鬼 |
六合 | 縛死鬼・求食鬼 |
勾陳 | 土公・廃竈神 |
青龍 | 社神及び風病・宿食物の誤り |
天一貴人 | |
天后 | 母鬼及び水上神 |
大陰 | 厠鬼 |
玄武 | 溺死鬼・乳死鬼 |
大裳 | 丈人 |
白虎 | 兵死鬼・道路鬼 |
天空 | 無後鬼 |
巻末の言葉
占事の理論は精微を極めなければならない。ほんの少しの間違いが大きな間違いにつながる。私は式盤のことに疎いので、老後にはその核心にたどり着きたいと思っていたが、吉凶の道理は遠い未来においても完全に理解することはできそうにない。ただ、その一端だけでもこうして書き記し、六壬式盤の意味を抜き出してみた。